「世界はみんなのこころで決まる/世界はみんなの心で変わる」(「こころの色」(『すこやかに おだやかに しなやかに』所収),谷川俊太郎,佼成出版社)
○この世界は,もとを正せば一つのものから分化・発展したものなのですから,この世界に存在しているものはすべて,深いところでつながっており,何らかの影響を与え合っているはずです。この世界を構成している一部分である私たちは,この世界に存在するすべてのものから何らかの影響を受けていますが,私たちも,この世界に存在するすべてのものに何らかの影響を与えているということです。私たちは,この世界を自分の思い通りに変えることなど絶対にできませんが,自分の心の持ち方なら,自分の意志や努力によって変えることが可能です。そして,自分の心の持ち方を変えることによって,この世界に何らかの影響を与え,この世界を間接的に変える可能性は十分にあります。つまり,この世界を変える最も実現可能性の高い方法は,この世界に直接的に働きかけることではなく,自分の心の持ち方を変えることだということです。自分の心の持ち方を変えるという方法は,一見遠回りのように見えて,実際には,この世界を変える一番の近道だということです。例えば,社会に対して強い不満を抱き,社会を変えたいと本気で願うのであれば,私たちは,社会の構成員である自分の心の持ち方を変えることにこそ,関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。(前書き)(7)(11)(15)関連