○「自慢高慢馬鹿のうち」,「自慢は知恵の行き止まり」などとも言いますが,自慢をしない人間の評価が上がりがちであるのに対し,自慢をする人間の評価が下がりがちであるのは,慢心した人間は謙虚さを失いやすく,すなわち,自分の無知さや未熟さを自覚しての真摯に学び,努力する姿勢や素直に反省する態度を失いやすく,それ以上の成長(成熟)・向上が望めないだけではなく,「御山(おやま)の大将」や「井の中の蛙(かわず)」となり,独り善がりな傾向ばかりを強めてしまう危険性が高いとみんなが知っているからなのではないでしょうか。独善に陥ることなく,自分を人間的に成長・向上させ続けるためにも(そのことを通じて,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立つためにも),決して慢心することなく,たとえ何歳になったとしても,たとえどれだけ経験を積んだとしても,たとえどれだけ大きな社会的成功を手に入れたとしても,謙虚さ(謙遜とは異なる真の謙虚さ)だけは失わないようにしたいものです。(12)関連