必要以上に欲張ることさえやめれば,私たちは,自分の人生に満足することが可能になるとともに,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さ,具体的には,この世の中に生まれてこれた(この世の中で生きるチャンスを与えられた)ことの有り難さ,自分の命を守り,自分が生きることを可能にしてくれている大自然(人体も含め。)の神秘的とさえ言える精妙な仕組みや働きの有り難さ,自分の生活を成り立たせてくれている数知れぬ他者の直接的又は間接的な支えや助けの有り難さ,人類史上最も豊かで安全で便利な社会で生活できることの有り難さなどに自然に思いを致すことができるようになるのではないでしょうか。そして,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら,私たちはきっと,何事も自分の思い通りにしたいなどと欲張ることなく,人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れられるようになるとともに(この事実を受け入れられない限り,人生は,常に期待を裏切られては失望するだけのものになってしまいます。),自分は不幸であるという思い込みから目を覚まし,自分が幸せであることに気付けるようになるはずです。