「身を傷つけるより,心を苦しめる方が人を深く傷つける。病もその多くは心から発する。・・・身体症状の多くが心のしわざだということをわきまえておかねばならぬ。」(『徒然草(日本文学全集07所収)』,内田樹訳,河出書房新社)
○心無い一言が,相手の心を取り返しがつかないくらいに深く傷つけてしまうこともあります。「己の欲せざるところは人に施す勿(なか)れ」というのが,人間としての,また,社会人としての最低限のルールなのですから,他者を否定したり,非難したりするような発言は,極力控えるべきであると思います。たとえ相手に非があってとしても,「罪を憎んで人を憎まず」という精神を決して忘れることなく,鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てたり,正義を振りかざして不寛容に責め立てたりするようなことは,やめるべきであると思います(厳しく非難するだけでは,相手の反省や成長・更生を促すこともできません。相手の反省や成長・更生を,かえって阻害してしまう危険性さえあります。)。人間が犯す失敗や過ちのほとんどは,誰もが犯す可能性のあるものばかりであり,他者を不寛容に責め立てるということは,いつか自分も他者から不寛容に責め立てらるということに他ならないのですから。(3)(11)(17)関連