「政治が自分を不幸にしていると思う人は,政治さえよくなれば幸福になれると思い,政治に過剰な期待をする。」,「政治家によって不幸にさせられたくないとは誰もが思うだろうが,政治家が個人の人生を不幸にするわけではないし,ましてや,政治家がわれわれを幸福にしてくれるわけではない。」(『幸福の哲学』,岸見一郎,講談社)
○同じような境遇にあっても,自分は幸せであると感じる人もいれば,自分は不幸であると感じる人もいます。要するに,人間の幸不幸を決めるのは,境遇ではなく,自分の心の持ち方次第(その人がその境遇をどのように受け止めるのか,その人がその境遇をどのような心構えや心がけで生きるのか),ということなのではないでしょうか。実際,「生きてるだけで丸儲(まるもう)け」と心の底から思えるなら(生きていることそれ自体に幸せを感じ,心から感謝することができるなら),どのような逆境にあろうとも,どのような困難や苦労に見舞われようとも,生きている限りは幸せであり続けることが可能なはずです。そもそも,境遇を自分の思い通りに変えることなどできないのですから(たとえできたとしても,自分の心の持ち方が変わらない限り,自分は不幸であるという思い込みからはなかなか抜け出せないものです。),どのような境遇にあっても幸せであり続けられるように,自分の心の持ち方を変えることにこそ関心を払い,力を注ぎたいものです。(7)関連