「教養を身につけるということは,この世界には素晴らしいものがたくさんあるということに気づくこと,そしてそれによって自分自身を肯定できるようになることだと思います。(齋藤孝)」(『日本の教養365』,齋藤孝監修,文響社)
○人生は,すなわち,この世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりです。その人生が生きる喜びや希望に満ちた幸せなものでなかったとした,私たちはいったい何のために生きているのでしょうか。私たちはいったい何のためにわざわざこの世の中に生まれてきたのでしょうか。私たちは幸せであるべきなのであり,幸せであることをこそ人生の最優先課題とし,幸せであることにこそ最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきであると思います。なお,この世の中を肯定できればこそ,この世の中で生きることや,この世の中に生まれてきたことに喜びや幸せを感じることができるわけですから,この世の中を肯定できるということは,私たちが幸せであるための必須条件ということになります。この世の中に否定的な側面があるのは事実ですが,肯定的な側面があるのも事実です。この世の中を肯定し,自分の人生に生きる喜びや幸せを無限に見いだせるようになるためにも,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるためにも,この世の中の否定的な側面ばかりに目を向けるのではなく,その肯定的な側面にこそ積極的に目を向けられるようになりたいものです。(2)(5)(9)関連