「皆が悪く言った人は,必ず自分の目でしらべ直す。皆が善く言った人をも,必ず自分の目でしらべ直す。」(『現代語訳 論語』,宮崎市定,岩波書店)
○日本人は,他者からの評価や世間の評判などを過度に気にしやすい国民であると言われていますが,他者からの評価や世間の評判などは,そのほとんどが,ちょっとしたことですぐに手のひら返しに変わってしまうような無責任でいい加減なものです。そんなものに振り回されて自分の人生を台無しにしてしまわないように,くれぐれも留意したいものです。他者からの評価や世間の評判などを気にする余り,自分の信念を捻(ね)じ曲げてしまったり,自分が進むべき道を見失ってしまったり(あるいは,自分が進むべき道を見つけられずに終わってしまったり)したのでは,自分が生きている意味や,自分がせっかくこの世の中に生まれてきた意味がなくなってしまいますし,世間の評判を鵜呑(うの)みにし,自分の目で確かめたり,自分の頭で判断したりすることをやめてしまったら,取り返しのつかない失敗や過ちを犯してしまう危険性が高まると思うからです。(14)関連