(前書き)私たちは過去の経験や遺伝や環境の奴隷ではなく,実り多い幸せな人生を送れるか否かは,境遇によってではなく,最終的には自分の意志や努力によって決まる。
①真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたい。
②私たちは,過去の経験や遺伝や環境(他者や社会など)の奴隷ではない。
③実り多い幸せな人生を送れるか否かは,最終的には自分の意志や努力次第である。
1 どのようにすれば幸せになれるのか
《幸せとは》
(1)幸せとは,自分が幸せであることに気付くことであり,それさえできれば,社会的な成功など収めなくても,誰でも幸せになり,幸せであり続けることができる。
①幸せとは,自分がすでに十分に幸せであることに気付くことである。
②生きているということは一つの奇跡であり,心から感謝すべき有り難いことである。
③人生には,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せが詰まっている。
④幸不幸は心の持ち方次第であり,幸せであるための条件は誰にでも備わっている。
⑤自分がすでに十分に幸せであることに気付くことさえできれば,誰でも幸せになれる。
⑥幸せになるために他者と競い合う必要はないし,誰も私たちの幸せを奪い取れない。
(2)人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送ることにこそ,最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきである。
①自分が幸せであったことに死ぬ瞬間に気付くのでは,人生があまりにももったいない。
②幸せであることと感謝することの間には,切っても切れない密接な関係がある。
③幸せな人生を送ることにこそ,最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきである。
④権力は,権力を私物化する危険性の低い,利他的傾向を有する人間に託すべきである。
(3)世の中を寛容で和気藹々とした暮らしやすいものにするためにも,自傷他害的な行動に走ることなく,有益無害な人生を送るためにも,私たちは幸せである必要がある。
①自分は不幸であると思い込んでいる人間は,自傷他害的な行動に出がちである。
②不幸な人間が増えれば増えるほど,世の中は不寛容で暮らしにくいものになっていく。
③暮らしやすい社会を実現し,有益無害な人生を送るためにも,幸せである必要がある。
《なぜ自分が幸せであることになかなか気付けないのか》
(4)人間の欲望には際限がないため,欲張り続ける限り,自分の人生に満足することは難しく,不平不満ばかりを募らせては自分が幸せであることに気付けなくなってしまう。
①人間の欲望には際限がなく,人間は生きていくのに必要なものだけでは満足できない。
②欲張り続ける限り,いつまでたっても私たちの心が満ち足りるということはない。
③欲張り続ける限り,他者はパイを奪い合う敵であり続け,自然環境は破壊され続ける。
④欲張り続ける限り,ままならない人生に不平不満を募らせるだけになってしまう。
⑤欲張り続ける限り,自分が幸せであることに気付くことは困難である。
(5)恵まれない境遇に生まれ育つなどして世の中の否定的側面ばかりに目を向けるようになってしまったために,自分が幸せであることに気付けなくなっている人たちもいる。
《どのようにすれば自分が幸せであることに気付けるようになるのか》
(6)自分の欲望に自分の意志でブレーキを掛け,必要以上に欲張ることさえやめれば,自分の人生に満足することが可能になり,自分が幸せであることに気付けるようになる。
①必要以上に欲張ることをやめさえすれば,自分の人生に満足することが可能になる。
②必要以上に欲張ることをやめれば,他者は仲間になり,環境破壊の危険性は低下する。
③自分の欲望にブレーキを掛ければ,自分が幸せであることに気付けるようになる。
④必要以上に欲張ることをやめれば,人生の最優先事項を見誤るようなこともなくなる。
⑤無い物ねだりをせず,自分が持っているものだけで満足できるようになる必要がある。
⑥質素な暮らしは,足るを知る人にとっては「心豊かで満ち足りた暮らし」になり得る。
⑦質素な暮らしは,それ自体が目的なのではなく,足るを知ることにこそ意味がある
(7)人間の幸不幸を最終的に決めるのは,境遇や運命ではなく心の持ち方なのだから,自分の心の持ち方を変えることにこそ,大切な時間やエネルギーを使うべきである。
①幸せを感じたり,自分の人生に満足したりすることと境遇は,ほとんど無関係である。
②不機嫌であるというのは,一種の迷惑行為,社会人としてのマナー違反である。
③人生は,心の持ち方次第でまったく別のものになってしまう。
④人間の幸不幸を最終的に決めるのは,境遇や運命ではなく,心の持ち方である。
⑤自分の心の持ち方を変えることにこそ,大切な時間やエネルギーを使うべきである。
(8)上の空で生きることをやめ,今この瞬間を決して疎かにすることなく常に心を込めてマインドフルに生きるということは,幸せであるための重要なポイントと言える。
①上の空で生きていたのでは,いま自分の目の前にある幸せに気付くことさえ難しい。
②「小さな幸せ」に気付けるようになるためには,常にマインドフルである必要がある。
③今この瞬間の掛け替えのなさを常に念頭に置きながら生活することの大切さ。
④外界に対してのみならず自分自身に対しても常にマインドフルであることが望ましい。
⑤今この瞬間を疎かにしないということは,幸せであるための重要なポイントと言える。
(9)自分が幸せであることに気付けるようになるためには,世の中の肯定的な側面にこそ意識的かつ積極的に目を向け,世の中を肯定的に捉えられるようになる必要がある。
①世の中の否定的な側面のみならず,肯定的な側面にも広く公平に目を向けること。
②世の中の肯定的な側面にこそ意識的かつ積極的に目を向ける習慣を身に付けること。
③老いることや病気になることや死ぬことにさえ,肯定的な側面はある。
④私たちの心には生まれ付き,全体のバランスを保とうとする特性が備わっている。
⑤幸せになることを望むのであれば,不退転の決意で忍耐強く,自分が頑張るしかない。
⑥たとえどのような逆境にあったとしても,幸せになることは誰にでも可能である。
⑦たとえどのような困難や苦労に見舞われたとしても,人生に絶望してはいけない。
⑧世の中を肯定できるということは,私たちが幸せであるための必須条件と言える。
2 幸せであることを大前提として,いかに生きるべきなのか
《なぜ幸せであることが人生の大前提なのか》
(10)幸せであることは,全人類共通の望みであるとともに,有益無害な人生を送ることを望む真っ当な社会人にとっての義務であり,人生の大前提であると言える。
①幸せであることは全人類共通の望みであり,誰もが幸せであることを望んでいる。
②幸せであることは,有益無害な人生を送ることを望む真っ当な社会人の義務である。
③幸せであることは,人生の目標ではなく,人生の大前提(スタートライン)である。
《幸せであることを大前提として,いかに生きるべきなのか》
(11)自分を人間的に成長・向上させ続けながら,他者と仲良く助け合い,生きる喜びや幸せを仲良く分かち合って生きるのが,人間として自然で真っ当な生き方である。
①自分を人間的に成長・向上させ続けながら,他者と仲良く助け合って生きること。
②自分を成長・向上させ続け,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたい。
③他者を競争相手ではなく協力相手と見なし,仲良く助け合いながら生きていきたい。
④この宇宙に存在するすべての物は,深いところでつながり,影響を与え合っている
⑤どんなに小さな物の中にも,この宇宙を深く知るための手掛かりが隠されている。
⑥豊かで安全で便利な社会においては,他者は競争相手になってしまいがちである。
⑦人間は独りでは生きていられないという事実を心に深く刻み付けることの大切さ。
⑧他者を信頼するとともに,他者と相互に依存し合える関係になることの大切さ。
《どのようにすれば自分を人間的に成長・向上させ続けることができるのか》
(12)自分を人間的に成長・向上させ続けるためには,自分の成長可能性を信じ続けるとともに,慢心することなく,自分の経験などから謙虚に学び続けることが重要である。
①自分の成長可能性を信じ続けるとともに,初心を忘れずに謙虚さを保ち続けること。
②失敗から何かを学ぶことができるのは,その失敗を素直に認められる人間だけである。
③成長・向上するにつれ,ますます謙虚になっていくのが人間の本来あるべき姿である。
④慢心すれば独善に陥る危険性が高まるが,独り善がりな善意ほど怖いものはない。
⑤慢心した人間は,生半可な知識を得て何でも知っているつもりになりがちである。
⑥有名人が知ったか振りをすれば,世論が間違った方向に導かれてしまう危険性がある。
⑦人間は自惚れやすい生き物であるという自覚を常に持っていることの大切さ。
⑧自分の経験からのみならず,他者や先人の経験などからも学び続けることの大切さ。
⑨学んで得られた知識は,「生活の知恵」として体得され,実践されてこそ意味がある。
⑩それぞれの子供が必要としている知識を体得させることにこそ教育の主眼を置きたい。
11 物事に粘り強く取り組み続けられる人間が評価される社会になってもらいたい。
(13)自分を人間的に成長・向上させ続けるためには,自分が好きなことを見付け,そこに見いだした目標や理想に近付くための努力を楽しめるということが重要である。
①自分が好きなことを見付け,長年にわたって怠ることなく努力し続けることの大切さ。
②何事も,嫌々やるのではなく,是非とも楽しみながら全力で前向きに取り組みたい。
③自分が信じる目標や理想がなければ,あてもなく彷徨い続けることになってしまう。
④人生に掲げる目標や理想は,大きければ大きいほど,高ければ高いほど望ましい。
⑤人生に掲げる目標や理想は,自分の意志や努力次第で追求可能なものにすべきである。
⑥人生に掲げる目標や理想は,常に見直され,より善いものに修正されるべきである。
⑦「欲望」が不満の源泉であるのに対し,「目標や理想」は生きがいの原動力である。
(14)他者との勝負や他者からの評価に気を散らすことなく,自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けることなどにこそ,限りある大切な時間やエネルギーを使いたい。
①自足していても,自分を人間的に成長・向上させ続けることは十分に可能である。
②成長・向上し続けるために,他者に勝ったり他者から評価されたりする必要などない。
③社会的な成功ではなく,実り多い幸せな人生を送ることをこそ目指すべきである。
④好きなことに打ち込めている人間が社会的な成功まで求めるのは,欲張り過ぎである。
⑤他者に勝とうが負けようが,人間は生きているというだけで十分に存在価値がある。
⑥誰もが,その存在価値を認められ,誇りを持って暮らせるような社会であって欲しい。
⑦毀誉褒貶に一喜一憂しないでいられるだけの鈍感さや図太さを身に付ける必要がある。
⑧他者から悪口を言われても相手にせず,「河童の屁」くらいに思っていればいい。
⑨なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きるのが,賢明な生き方と言える。
⑩世の中を実質的に支えているのは,舞台裏で黙々と努力している無名の人たちである。
11 何事も自分の頭でしっかり考え,判断した上で主体的に行動できるようになりたい。
12 有名人が扇動すれば,一時的にせよ多数の人間が間違った方向に誘導されてしまう。
13 自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けることなどにこそ,力を尽くしたい。
14 他者との勝ち負けや他者からの評価などにはあまり気を散らさないようにしたい。
(15)人生の行き詰まりを打開したいと望むのであれば,その主たる原因や責任は自分にあると考え(他者や社会のせいにせず),自分を変えることに全力を注ぐべきである。
①他者や社会のせいにしている限り,人生の行き詰まりを打開することは不可能である。
②人生が行き詰まったことの主たる原因や責任は自分にあると考えるべきである。
③他者や社会を変えたいと本気で願うのであれば,まずは自分が変わるべきである。
《どのようにすれば他者と仲良く助け合い,生きる喜びや幸せを仲良く分かち合うことができるのか》
(16)他者と仲良く助け合い,生きる喜びや幸せを分かち合うためには,まずは自分自身が幸せである必要があり,自分と他者が共に幸せになれる道をこそ選択すべきである。
①他者と仲良く助け合えるようになるためには,自分自身が幸せである必要がある。
②他者の幸せを願うのであれば,自分と他者が共に幸せになれる道を選ぶべきである。
(17)人間関係においては,相手の心の中に住む善人に目を向けて相手と融和することや,同じ人間同士として共感的かつ寛容に対応することをこそ心掛けるべきである。
①完全な善人(完全な悪人)など存在せず,誰の心の中にも善人と悪人が同居している。
②善人として一生を過ごすのも悪人として一生を過ごすのも,自分次第である。
③自分の心の中に善人と悪人が同居しているということを決して忘れないようにしたい。
④私たちが他者をどのように見るかによって,その他者は悪人にも善人にもなり得る。
⑤人間関係はお互い様であり,どちらか一方だけが悪いなどということはあまりない。
⑥敵対する相手とは意味のある対話が成り立たず,対話は不毛なものになりがちである。
⑦他者の心の中に住む善人に目を向け,他者と融和することをこそ心掛けるべきである。
⑧他者が失敗や過ちを犯した際には,共感的かつ寛容な対応を心掛けるべきである。
⑨他者を否定したり,非難したりするようなことは,極力控えるべきである。
(18)他者と仲良く助け合い,生きる喜びや幸せを分かち合えるようになるためにも,自分の人生に満足できているようになるとともに人生の指針を明確化する必要がある。
①他者との勝ち負けにこだわり,他者と敵対するようになってしまうことの愚かしさ。
②自分の人生に満足できるようになるとともに人生の指針を明確化させることの大切さ。
(19)他者と支え合い,助け合ってこそ生きていられる私たち人間にとって,困っている他者や苦しんでいる他者の手助けをすることは自分のためでもあり,当然の務めである。
①不幸な状況から抜け出せずにいる他者に対しては,できる限りの手助けをしたい。
②困っていたり,苦しんでいたりする他者の手助けをすることは,自分のためでもある。
③他者に対する手助けは,相手の自信や主体性を強化する形でこそ行われるべきである。
④他者を益する行動は,回り回っていつかは必ず自分を益することにつながってくる。
3 その他
《未来を担う子供たちに対する大人の務めとは》
(20)自分の生き様を通して,真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな生き方の手本を示すことこそが,未来を担う子供たちに対する大人の務めである。
①実り多い幸せな生き方の手本を示すことこそが,子供たちに対する大人の務めである。
②子供たちには,自分が犯した失敗や過ちから様々なことを学ぶ権利がある。
③民主主義は,私たちが失敗や過ちから様々なことを学ぶ権利を認める制度と言える。
④大人が善い手本にならなければ,子供たちが実り多い幸せな人生を送ることは難しい。
⑤まずは大人が,「今だけカネだけ自分だけ」といった生き方を改める必要がある。
《どのような社会の実現を目指すべきか》
(21)社会の進歩・発展や物質的な豊かさをある程度は犠牲にしてでも,誰もが心豊かに実り多い幸せな人生を送れるような節度ある豊かな社会の実現を目指すべきである。
①物質的な豊かさと私たちの幸福度や礼節の度合いは,必ずしも比例していない。
②物質的な豊かさではなく,心の豊かさを追い求める方向に大きく舵を切るべきである。
③節度ある豊かな社会において心豊かに暮らせるようになることを目指すべきである。
④どのような経済格差社会に暮らそうとも,実り多い幸せな人生を送ることはできる。
⑤お金を稼ぐことが人生の目的になってしまわないように用心する必要がある。
⑥お金がすべの世の中においては,誰もが誇りを持って幸せな人生を送ることは難しい。
⑦お金では買えないものの大切さに気付けないということは,不幸以外の何物でもない。
(後書き)人生の真理は本来単純明快なものであり,すでに言い尽くされているとともに,何一つ隠されることなく,いつでも私たちの目の前に開示されている。
①人生の真理というものは,本来単純明快なものであり,すでに言い尽くされている。
②人生の真理に古いも新しいも,東も西もなく,人生の真理は全人類の共有財産である。
③人生の真理は何一つ隠されることなく,いつでも私たちの目の前に開示されている。