境遇や運命が私たちに与える影響は小さくありませんが,たとえどのような逆境にあろうとも,たとえどのような不運に見舞われようとも,自分は幸せであると心の底から思えるなら,その人は,他者の目にどのように映ろうとも幸せなのであり,逆に,たとえどのような順境(恵まれた境遇)にあろうとも,たとえどのような幸運に恵まれようとも,自分は幸せであると心の底から思えないなら,その人は,他者の目にどのように映ろうとも幸せではないのですから,人間の幸不幸を決めるのは,境遇や運命ではなく,最終的には心の持ち方,すなわち,その境遇や運命をどのように受け止めるのか,その境遇や運命をどのような心構えや心がけで生きていくのか,ということになるのではないでしょうか。実際,心の持ち方が変わらない限り,境遇や運命がいくら改善・好転しても,不幸な状況から抜け出すことは(自分は不幸であるという思い込みから目を覚ますことは),なかなかできないものです。