自分の人生に満足することができず,自分は不幸であると思い込んでいる人間は,自傷他害的な行動に出がちですが,そのような有害無益な人生を送ることに,いったいどのような意味があるのでしょうか。人の道に外れた悪行を繰り返していれば,自分を肯定し続けることが難しくなり,自分に嘘(うそ)をつくようになってしまったり(自分に嘘をつくことによって,自分の行動や自分の生き方を正当化するようになってしまったり),やがては,自分に嘘をつき続けることにも疲れ,自分を否定せざるを得なくなり,自分を嫌い,自分を憎み,自分を粗末に扱うようになってしまったりするのが落ちです。そのような人生ではなく,自分を大切にし,正しい道を歩み続けながら(正しい道に踏みとどまり続けながら),自分の幸せのみならず,他者の幸せをも願い,喜び(他者の不幸を悲しみ),他者が幸せになるための手助けを行うような有益無害な人生を送るためにも,また,世の中を寛容で温かみや潤いのある和気藹々(わきあいあい)とした暮らしやすいものにするためにも,私たちは幸せである必要があるのではないでしょうか。