実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

老いることや,病気になることや,死ぬことにさえ,肯定的な側面はある。

 私たちは,老い,生命力が低下し,自分の欲望に自然にブレーキを掛けられるようになることで,足るを知り,自分の人生に満足することがより容易になりますし,財産や地位や権力や名声などに対する執着から解放され,他者と競い合う必要がなくなることで,他者と仲良く助け合ったり,幸せを分かち合ったりすることがより容易になります。最近では,社会の高齢化が大きな問題になっていますが,長生きできるということは本来慶賀すべきことですし,社会が高齢化するにつれて戦争や犯罪は減少する傾向があるとも言われています。また,病気になり,命の危険にさらされ,健康や命や他者(他者の支えや助け)の有り難さを痛感し,感謝する気持ちを思い起こすことで,ただ健康でいられるというだけで,あるいは,ただ生きていられるというだけで,大きな喜びや幸せを感じられるようになります。そして,自分や他者の健康や命を粗末に扱うことなく,大切にできるようになります。さらに言えば,人間の致死率は100パーセントであり,私たちはいつか必ず死にますが,一般的には否定的に捉えられがちな死にさえ,肯定的な側面はあります。もし人間が不死身であったとしたら,この世の中は人間で溢(あふ)れ返ってしまいますし,この世の中に新たに人間が誕生する余地がなくなってしまいます。そもそも,死があるからこそ生きる喜びがあり,生きる喜びがあるからこそ私たちは,ただ生きているということにさえ,感謝したり,幸せを感じたりすることができるのではないでしょうか。死がなければ生きる喜びは自然に薄れてしまい,生きていることそれ自体に感謝したり,幸せを感じたりすること,すなわち,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送ることは難しくなってしまうのではないでしょうか。生きていることそれ自体に感謝したり,幸せを感じたりできればこそ,私たちは,たとえどのような逆境にあろうとも,たとえどのような不運に見舞われようとも,生きている限りは幸せな人生を送り続けることが可能になるのですから。もっとも,本物の死を体験した人間などいないのですから,死んでからのことは誰にも分からず,死を否定的・悲劇的(悲観的)なものとして捉えること自体が間違っている可能性も否定はできませんが。