「どんなにすぐれた天才であれ,すべてを自分自身のおかげだと思うとしたら,それ以上進歩はできないだろう(ゲーテ)」(『ゲゲゲのゲーテ』,水木しげる,双葉社)
○自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けるためには(そのことを通じて,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立つためには),常に謙虚に学び続ける必要がありますが,自分の狭い経験から学べることには限界があります。したがって,広く他者の経験から学ぶということが絶対に欠かせません。特に,「古典」と呼ばれるような,人類の経験や英知の精髄・結晶とも言える良書を愛読・熟読・精読することは,非常に貴重な学びの機会になり得ます。「思いて学ばざれば即ち殆(あや)うし」とも言うように,広く他者の経験から学ぶことをやめてしまえば,そこで成長や向上は止まってしまい,独善に陥るとともに,あとは退歩・退行し(未熟な状態に逆戻りし),堕落する一方になってしまいます。たとえ何歳になろうとも,たとえどれだけたくさんの経験を積もうとも,謙虚に他者の経験から学ぶという姿勢を失わないようにしたいものです。(12)関連