「好きこそ物の上手（じょうず）なれ」，「下手（へた）は嫌いの証拠」（五味太郎），「道は好む所によって安し」などとも言うように，私たちは，自分が好きなことだからこそ，困難や苦労にへこたれることなく努力し続けることができるのではないでしょうか（人間は，そこにプラスの意味や自分なりの必要性を感じることができるなら，大抵の困難や苦労には耐えられるものです。）。そして，長年にわたって怠ることなく努力し続ければこそ，才能の有無にかかわらず，それなりに上達もし，それに見合った成果も得られ，自分を人間的に成長（成熟）・向上させ続けることもできるのではないでしょうか（「大器晩成」，「学問に近道なし」などとも言うように，人間的に大きく成長・向上するためには，あるいは，何かに熟達するためには，どうしても長い年月が必要です。）。このように考えるなら，自分を人間的に成長・向上させ続けるためには，自分が本当にやりたいと思える好きなことを見付け，あるいは，自分が現在やっていることを本当に好きになり，そこに自分が本当に信じることのできる自分なりの目標や理想を見いだし（自分なりとは言っても，「すべての道はローマに通ず」るのでしょうが。），その目標や理想に近づくための努力を心から楽しめることが重要である，ということがよく分かるはずです。もちろん，努力することを心から楽しいと思えるようになるためには，自分が好きなことに打ち込めることの有り難さに気付けるだけの想像力を持ち，感謝する気持ちを決して忘れないということも重要であるとは思いますが。
