「現象と真理はもとより別のものではない。外側を正しく整えておけば,内側もいずれは熟す。」(『徒然草(日本文学全集07所収)』,内田樹訳,河出書房新社)
○生まれ付きの善人,生まれ付きの悪人などというものはいません。完全な善人,完全な悪人などというものもいません。誰の心の中にも,善人と悪人が同居しています。どのような善人の心の中にも悪人は住んでいますし,どのような悪人の心の中にも善人は住んでいます。善人の真似(まね)をして,死ぬまで善人として振る舞い続けるなら,その人は善人と呼ばれ,悪人の真似をして,死ぬまで悪人として振る舞い続けるなら,その人は悪人と呼ばれるというだけのことです。善人として生きるのか,それとも悪人として生きるのか,それを最終的に決めるのは本人です。自分にとって本当に得をする幸せな生き方は,どちらなのか。その判断を,くれぐれも間違わないようにしたいものです。たとえどのような逆境にあったとしても,たとえどのような不運に見舞われたとしても,くれぐれも自暴自棄になって間違った生き方(みすみす自分が損をするような不幸な生き方)を選択をしないようにしたいものです。(17)関連