世の中には,恵まれない境遇に生まれ育つなどして世の中の否定的な側面にばかり目を向けるようになってしまい,また,その後の人生においても,その苦しさやつらさを誰かにしっかり受け止めてもらったり,生きていてよかった,この世の中に生まれてきてよかったと実感できるような体験を味わったりすることができないまま,他者を憎んでは他者に対して心を閉ざし,人生を憎んでは人生を悲観し,自分を憎んでは自分を粗末に扱うようになってしまった人たちがいます。そのような人たちは,世の中の肯定的な側面に目を向けることができず,必然的に,人生に生きる喜びや幸せを見いだしたり,いま自分の目の前にある幸せに気づいたり,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝したりすることができないため,自分は不幸であるなどと思い込むとともに,自分が幸せであることに気づけなくなってしまいがちです。