「喜びをもって生きるために最も大事なことは,人生は喜びのために与えられたと信ずることである。もしも喜びが終わったならば,自分はどこで間違ったのだろう,と反省するがよい。」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯私たちには生まれ付き幸せであるための条件がすべて備わっているのであり,誰の人生にも幸せはぎっしり詰まっているのだと思います。要は,そのことを信じられるか否か,そのことに気づけるか否かだと思います。生きる喜びに満ちた幸せな人生を送りたいと本気で願うのであれば,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに感謝しつつ足るを知ることによって(自分がどれだけ多くのものを持っているのかということに目覚め,自分が持っているものだけで満足できるようになることによって),自分がすでに十分に幸であることに気づけるようになる必要があるのではないでしょうか。無い物ねだりをしているだけでは(自分が持っていないものばかりを数え上げて不平不満を募らせているだけでは),いつまでたっても自分が幸せであることに気づくことは難しいように思います。(2020年5月24日)