「説明はするな。味方であればあなたを理解し,敵であればあなたを信用しない。(エルバート・ハッバード)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○信頼関係が築かれている人間同士の間では,くどくど説明しなくても(場合によっては,以心伝心で)自分の気持ちを相手に伝えることが可能であり,意味のある対話が成り立ちますが,信頼関係が築かれていない(相手に対して互いに不信感を有している)人間同士の間では,どれだけ説明したところで自分の気持ちを相手に伝えることは困難であり,意味のある対話が成り立ちません。敵対する人間同士の対話や議論が往々にして不毛である理由は,ここにあります。他者との対話や議論を実り多いものにしたいと本気で望むのであれば,まずは,他者を競争相手(敵)と見なすことをやめ(他者を打ち負かすことを対話や議論の主たる目的にすることをやめ),他者を協力相手(味方・仲間)と見なせるようになる(他者と心を一つにして物事をより善いものにすることを対話や議論の主たる目的にできるようになる)必要があるのではないでしょうか。(11)(17)関連