「宇宙は絶えずわれらによつて変化する/誰が誰よりどうだとか/誰の仕事がどうしたとか/そんなことを言ってゐるひまがあるか」(「生徒諸君に寄せる」(『宮沢賢治詩集』所収),岩波書店)
○この宇宙に存在するすべての物は,もとを正せば,たった一つの物から派生してきた物なのですから,すべての物は深いところでつながっており,影響を与え合っているに違いありません。それはつまり,この宇宙やこの世の中の一部分である私たちが変われば,この宇宙やこの世の中も,その影響を受けて変わるということに他なりません。したがって,この世の中を,より善い,より暮らしやすいものに変えたいと願うのであれば,回り道のように感じられるかも知れませんが,私たちは,世の中を変えることにではなく,自分を変えることにこそ,関心を払い,力を注ぐのが賢明なのではないでしょうか。なぜなら,世の中を自分の思い通りに変えることなど絶対にできませんが,自分の心の持ち方や考え方や生き方などを変えることなら,自分の意志や努力次第で十分に可能だからです。この世の中を,より善い,より暮らしやすいものに変えていくためにも,他者との勝負や他者からの評価など余り気にせず,より善い,より人間らしい生き方を目指して自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けること(自分の心の持ち方や考え方や生き方などを変えること)や,自分にできること一つ一つに全力で取り組むことなどにこそ,気持ちを集中し,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(前書き)(9)(11)(14)(15)関連