「幸福になるための大きな障害は,大きすぎる幸福を期待することだ。(フォントネル)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○欲張れば,欲望はどこまでも肥大化していきますので,欲張れば欲張るほど自分の欲望を満たすことは困難になります。常に不満を抱えたまま,不平不満ばかりを募らせた挙げ句,自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまうのが落ちです。逆に,欲張ることをやめ,自分の欲望にブレーキを掛ければ掛けるほど,自分の欲望を満たすことは容易になります。不平不満を募らせてしまうようなこともなく,常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送ることが可能になります。幸せな人生を送ることを本気で望むのであれば,私たちは,欲張ることをやめ,「大きな幸せ(他者が羨むような社会的な成功を収めることなど)」など望まず,「小さな幸せ(日常生活におけるささやかな満足に生きる喜びや幸せを感じることなど)」だけで満足できるようになる必要があるのではないでしょうか。「大きな幸せ」が人生に訪れることなど滅多にありませんが,「小さな幸せ」なら人生の至る所に転がっているのですから。しかも,「大きな幸せ」は,たとえ訪れたとしても,意外に底が浅く,すぐに色褪(いろあ)せてしまいやすいのに対し,常に身近にある「小さな幸せ」は,日常生活に深く根差していることもあり,色褪せるということがありません。(4)(6)(8)関連