「我々は他人の幸福を羨(うらや)み,他人は我々の幸福を羨む。(プブリリウス・シリス)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○私たちは,「隣の芝生は青い」と感じがちであり,とかく他者を羨んだり妬んだりしてしまいがちですが,たとえ「隣の芝生は青い」というのが事実であったとしても,何事にも一長一短があるのですから,トータルで見れば,誰の境遇も,それほどの大差はないというのが実態なのではないでしょうか。そもそも,自分と他者を比較して,他者を妬んだり,卑屈になったり,逆に,他者を見下したり,おごり高ぶったりすることに意味があるとは思えませんし,自分と他者を比較することなど,やめた方がよいのではないでしょうか。そんなことをしている暇があるのなら,どのような境遇にあっても幸せであり続けられるように,幸せに対する感度を高めるべく(人生に埋もれている無限と言ってもいいほどの「小さな幸せ」に気付けるようになるべく)自分の心の持ち方を変えることや,自分が好きなことに打ち込み,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けることなどにこそ,限りある大切な時間やエネルギーを使うべきなのではないでしょうか。たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも。(3)(4)(6)(7)(18)(20)関連