「私は私以外の人間にはなれないのだ」(「顔の美学」(『この人を見よ 小林秀雄全集月報集成』所収),佐古純一郎,新潮社)
○「十人十色」と言うように,人間には人それぞれの個性があり,その個性に合った生き方があります。したがって,そもそも自分と他者を比較すべきではありませんし,他者との勝負などに限りある大切な時間やエネルギーを使うべきではないのではないでしょうか。他者との勝負など,しょせんは「団栗(どんぐり)の背比べ」であるに過ぎませんし,私たちは他者の支えや助けがなければ生きていられず,その意味で,私たちと他者は一体なのですから(持ちつ持たれつの相互依存関係にあるのですから),本来は勝ちも負けもないはずです。自分と他者を比較したり,他者と勝負したりすることなどにではなく,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ,そこに見いだした自分なりの目標や理想に向かって自分の歩幅で一歩ずつ前進し続けることや,自分の信念や自分が本当に納得することのできる(自分に恥じることのない)生き方を貫き通すことや,他者を(競争相手ではなく)協力相手と見なして互いに仲良く助け合い,幸せを分かち合うことなどにこそ,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(3)(11)(13)(14)(18)関連