「苦労にはそれなりの喜びがあり,危難にもそれなりの魅力がある。(ヴォルテール)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○人生は本来ままならないものなのであり,人生に困難や苦労は付き物ですが,困難や苦労があればこそ,生きている実感や手応えも得られるのでしょうし,困難や苦労を乗り越えればこそ,達成感や充実感といったものも味わえるのではないでしょうか。また,東日本大震災のような危機的な状況は,私たちに,人間は独りでは(孤立無援の状態では)生きていられないという事実を,すなわち,他者を競争相手(敵)と見なして互いに足を引っ張り合い,パイを奪い合って生きるのではなく,他者を協力相手(味方・仲間)と見なして互いに助け合い,幸せを分かち合って生きることの大切さを思い起こさせてくれます。物は考えようです。何事にも一長一短があるわけですから,物事の否定的な側面にばかり目を向けるのではなく,物事の肯定的な側面にも広く公平に目を向けられるようになりたいものです。物事の肯定的な側面にも目を向けられるようになるなら,私たちはきっと,ままならない人生にも,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを見いだせるようになるはずです。(1)(5)(9)(11)(14)関連