○私たちの心には本来,バランスを保とうとする力,あるいは,バランスを回復させようとする力が備わっているのではないでしょうか。実際,私たちは,他者が極端な意見を言っているのを聞くと,反対の意見を言ってバランスを取りたくなってしまいます。また,自分の中に極端な意見が芽生えた場合には,やはりバランスを取るべく,反対の意見が自然に芽生えてくるものです(例えば,「誰も信じられない。」と思っている人の心の中にも,信じられる他者に巡り合いたいという気持ちは,きっと残されているはずです。)。しかし,私たちは,バランスを取ろうとする余り,振り子のように,しばしば反対側に振れ過ぎてしまうことがあります。それはそれで,やはり極端な意見と言わざるを得ません。何事にも一長一短があるのですから,物事の肯定的な側面ばかりを見るのではなく,かと言って物事の否定的な側面ばかりを見るのでもなく,その両者をバランスよく公平に見れるようになりたいものです。(7)(9)(11)(14)関連