「で,一体何がほしいわけ/誰に勝ちたいわけ/なかなか気づけんよね/何もかも既に持ってるのにね」(「まつり」,藤井風)
○人間の欲望には切りがなく,欲張り続ける限り,私たちは,たとえどれだけ多くの物を手に入れたとしても,心が満ち足りるということはなく,死ぬ瞬間まで,常に不満を抱えたまま,自分の欲望に追い立てられ,振り回される形で,また,他者とパイを奪い合う形で,より多くの物(必要以上の物まで)を追い求め続けることになってしまいます。常に満ち足りた気持ちで,他者と仲良く助け合い,幸せを分かち合いながら,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたいと本気で願うのであれば,私たちは,欲張ることをやめ,たとえそれが必要最小限の物であったとしても,自分が持っている物だけで満足できるようになる必要があるのではないでしょうか。そのためにも,自分が持っていない物を欲しがり,自分がそれらの物を持っていないことに不平不満を募らせるのではなく,自分が持っている物(自分に与えられている命なども含め。)の豊かさに気づき,自分がそれらの物を持っていることを心から感謝できるようになりたいものです。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づき,心から感謝できるようになるなら,私たちはきっと,それ以上に欲張ることが恥ずかしくなるはずです。(1)(4)(6)(10)(11)(14)(20)関連