「努力次第で変えられることであれば,ぜひがんばって解決してほしい。けれど,そうでないことに対して被害者意識を抱いても,未来は何も変わらない。」(『「お金」の教養』,出口治明,ポプラ社)
○自分は不幸であると思い込んでいる人間は,自分が不幸であることの原因や責任を境遇や運命に求めがちです。しかし,境遇や運命をいくら呪ったところで,恵まれない境遇や不運をいくら嘆き悲しんだところで,不幸な状況から抜け出すことはできません。むしろ,境遇や運命を呪えば呪うほど,恵まれない境遇や不運を嘆き悲しめば嘆き悲しむほど,被害者意識や他罰的(他責的)な傾向ばかりが強まり,世の中の肯定的な側面に目を向けられなくなってしまうことで,不幸な状況から抜け出すことが難しくなってしまいます。したがって,幸せな人生を送りたいと本気で願うのであれば,まずは,自分が不幸であることの原因や責任を境遇や運命に求めることをやめるべきであると思います。そして,自分が不幸であることの原因や責任は自分にある(自分にもある)のかも知れないと考えを改めた上で,自分(自分の考え方や自分の生き方や自分の心の持ち方など)を変えることによって,あるいは,自分にできること(自分の意志や努力次第で改善可能なこと)一つ一つに全力で取り組むことによって不幸な状況から抜け出すことにこそ,時間やエネルギーを使うべきであると思います。人生は短く,しかも,たった一度きりなのですから,限りある大切な時間やエネルギーを浪費して,人生に大きな悔いを残さないようにしたいものです。(前書き)(7)(9)(15)(18)関連