「よく生きるということぐらい,学ぶのがむつかしいことはありません。・・・生きること,これだけは一生涯かけて学ばねばならぬことです。(セネカ)」(『ローマの哲人 セネカの言葉』,中野孝次,岩波書店)
○人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりです。せっかくなら,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたいものです。そして,できることなら,真に人間らしく実り多い,自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な人生を送りたいものです。そのためにも,私たちは,実り多い幸せな人生とは何かということを正しく見極めた上で(この作業をおろそかにし,実り多い幸せな人生とは何かということを見誤れば,すべての努力が徒労に終わってしまう危険性があります。),実り多い幸せな人生を送ることをこそ人生の最優先課題とし,実り多い幸せな人生を送ることにこそ最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきなのではないでしょうか。他者との勝負や世間の評判などにかまけて(例えば,財産や地位や権力や名声などを得ることに限りある大切な時間やエネルギーを浪費して),たった一度きりの人生に大きな悔いを残してしまったり,自分の一生を台無しにしてしまったすることだけは,絶対に避けたいものです。(前書き)(2)(14)(20)関連