「一番大事なこと,それは自分を知り,生きる上で何が必要で何が必要でないかを見分け,生きて今ここにあることを何よりも幸福に思うことだ。」(『足るを知る 自足して生きる喜び』,中野孝次,朝日新聞社)
○生きているということは,よくよく考えてみれば一つの奇跡です。私たちは,この世の中に生まれてこれたことや,自分の命を守り,自分が生きることを可能にしてくれている人体や自然や宇宙の神秘的とさえ言える精妙な仕組みや働きや,自分の人生を成り立たせてくれている数知れぬ他者の直接的・間接的な支えや助けや,人類史上最も豊かで安全で便利な社会で生活できることなどに,心から感謝すべきなのではないでしょうか。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら,私たちはきっと,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるはずです。そして,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら,私たちはきっと,自分にとって真に必要な物と必要でない物との見分けがつくようになるとともに,必要以上に欲張ることなく,必要最小限の物だけで満足できるようになるはずです。(1)(6)(7)(14)(20)関連