「誰しも,自分自身の足元からはじめ,自分の幸福をまず築かねばならないと思う。(ゲーテ)」(『ゲゲゲのゲーテ』,水木しげる,双葉社)
○私たちは,自分が幸せだからこそ,自分を粗末に扱ったり,道を踏み外したりすることなく,自分を大切にしながら正道を歩み続けることができるのではないでしょうか。また,自分が幸せだからこそ,自分の幸せのみならず,他者の幸せをも願い,喜び(他者の不幸を悲しみ),自分の幸せを他者と分かち合うことができるのではないでしょうか。そのように考えるなら,幸せであることは,有益無害な人生を送ることを願う真っ当な社会人とっての義務であるとさえ言えるのではないでしょうか。そもそも,人生が生きる喜びや希望に満ちた幸せなものでなかったとしたら,私たちはいったい何のために生きているのでしょうか。私たちはいったい何のためにこの世の中に生まれてきたのでしょうか。人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりです。せっかくなら生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたいものです。私たちは,幸せとは何かということを正しく見極めた上で(この作業をおろそかにすれば,すべての努力が徒労に終わってしまう危険性さえあります。),まずは自分が幸せになることにこそ最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきなのではないでしょうか。(2)(3)(10)関連