「私の場合は諦めんかったのがよかったんです。私には人のために描くという考えがなかったのがよかった。自分のために話を作って,自分のために面白(おもしろ)がって描く。だから,つづけられたんです。」(『ゲゲゲのゲーテ』,水木しげる,双葉社)
○「好きこそものの上手(じょうず)なれ」といいますが,私たちは,自分が好きなことだからこそ,困難や苦労にへこたれることなく努力し続けることができるのではないでしょうか。そして,長年にわたって怠ることなく努力し続ければこそ,才能の有無にかかわらず上達もし,また,自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続けること(そのことを通じて,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立つこと)ができるのではないでしょうか。他者との勝負や世間の評判などに気を散らすことなく,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ,そこに自分が信じることのできる自分なりの目標や理想を見いだし,その目標や理想に向かって前進し続けることにこそ,気持ちを集中し,力を注ぎたいものです。他者との勝負や世間の評判などを気にする余り,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ損なってしまったり,自分が進むべき道を前進し続けることを後回しにしてしまったり,自分が進むべき道を見失ってしまったりすることだけは,くれぐれも避けたいものです。(13)(14)関連