「反対意見を喧嘩腰で言っても何もいいことはありません。」,「反対意見を言うにしても,やわらかい口調で言うことはできます。」(『日本人のすごい名言』,齋藤孝,アスコム)
○こちらが心を開いて友好的な態度で接すれば,相手も心を開いて友好的な態度で接してきてくれるのが普通であり,このような人間関係であれば,心を通い合わせることが可能です。しかし,逆に,こちらが心を閉ざしたまま敵対的な態度で接すれば,相手も心を閉ざしたまま敵対的な態度で接してくるのが普通であり,このような人間関係では,意味のある対話をすることさえ不可能になってしまいます。そもそも愛情に裏打ちされていない言葉は,相手の心に届きません。したがって,自分の気持ちを相手の心に届けたいと本気で願うのであれば,できる限り友好的な態度で,愛情のこもった言葉で,自分の気持ちを相手に伝えることを心がけるべきであると思います。たとえ相手に非があったとしても,正義を振りかざして不寛容に責め立てるのではなく,「罪を憎んで人を憎まず」,「正しいことを言うときは/少しひかえめにするほうがいい(吉野弘)」といった精神や態度で接してこそ,相手はその非を素直に認め,改めることが(それを契機に成長したり,更生したりすることが)できるのではないでしょうか。(17)関連