「本当の幸福とは体も心も安らいでいる状態にあり,欲が少ないときにのみ体験できる」(『ブッダの〈今を生きる〉の瞑想』,ティク・ナット・ハン,島田啓介訳,野草社)
○財産や地位や権力や名声などに執着すればするほど,心の平安は乱されやすく,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に自分を追い込んだ挙げ句,自分は不幸であると思い込むような結果になってしまいがちです。したがって,心の平安を失うことなく,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送りたいと願うのであれば,財産や地位や権力や名声などに対する執着を捨て去ることが望ましく,そのためには,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝する習慣を身に付けるなどして,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになる必要があると思います。生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるなら,財産や地位や権力や名声などに対する執着は自然になくなってしまうと思いますし,心の平安が乱されることもなく,たとえどのような逆境にあろうとも,どのような困難や苦労に見舞われようとも,常に幸せであり続けることが可能になるのではないでしょうか。(2021年5月27日)(1)(4)(6)(7)関連