「あまり安価で手に入れたものは軽くあつかわれる。(ペイン)」(『教養が滲み出る 極上の名言1300』,斎藤茂太監修,日本文芸社)
○私たちは,値段の高い物を重んじやすく,値段の安い物を軽んじがちですが,本当はただで手に入る物(お金では買えない物)こそが大切なのではないでしょうか。例えば,私たちの命,その命を守ってくれている宇宙や自然や人体の精妙な仕組みや働き,私たちの人生を成り立たせてくれている数知れぬ他者の直接的・間接的な支えや助け,自由意志,心の平安,感謝する気持ち,人生の真理といったものは,基本的にはただです。「お金で買えない物など何もない」と言う人もいますが,それらは基本的にはお金では買えず,お金さえあれば手に入るという物ではありません。もちろん,現代社会で生きていくためには,ある程度のお金が必要ですが,拝金主義に染まれば,すべての物がその値段によって評価されるようになってしまい,本当に大切な物を見失うことになってしまいます。心の目を曇らせないようにするためにも,くれぐれも金の亡者になってしまわないように心がけたいものです。(2021年4月21日)(前書き)(6)(20)関連