「生きるという仕事は,あなたの仕事の中で,もっとも根本的な,もっとも輝かしい仕事である(モンテーニュ)」(『もういちど読む 山川倫理』,小寺聡編,山川出版社)
○生きているということは,よくよく考えてみれば一つの奇跡であり,この世の中にこれ以上の奇跡はないのではないでしょうか。「勝ち組」,「負け組」などという言葉がありますが,人間は,生きているというだけで十分に値打ちがあるのであり,他者に勝とうが負けようが,世間から評価されようがされまいが,その値打ちに何ら変わりはありません。他者との勝負など,所詮は「団栗(どんぐり)の背比べ」に過ぎませんし,世間の評判など,すぐに手のひら返しに変わってしまういい加減なものです。私たちは,他者との勝負や世間の評判など気にせず,自分の人生を,この世の中で生きることのできるたった一度きりのチャンスを,十分に楽しみ,味わい尽くし,生かし切ることだけを考えればいいのではないでしょうか。くれぐれも,他者との勝負や世間の評判などにかまけて,自分の人生に悔いを残したり,自分の人生を台無しにしたりしないようにしたいものです。(2021年3月11日)(14)関連