「たった一度の人生を,どうしてそう粗末にしちまうんだ。」(『いま,幸せかい? 「寅さん」からの言葉』,滝口悠生選,文藝春秋)
○人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることができるチャンスは,たった一度きりです。せっかくなら,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送りたいものです。そして,できることなら,幸せなだけでなく,真に人間らしく実り多い(自分にとってのみならず,他者や社会にとっても有益な)人生を送りたいものです。人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物ですが,自分の人生を自分の努力によって主体的に切り開いていこうとする強い意志がある限り,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であると私は信じています。できないと思えば,どんな簡単なこともできません。諦めてしまえば,そこですべては終わってしまいます。どのような逆境に見舞われようとも,人生に絶望したり,自暴自棄になって人生を粗末にしたりしてしまってはいけないのだと思います。それでは,わざわざこの世の中に生まれてきた甲斐(かい)がありません。どのような境遇に生まれ育とうとも,どのような境遇に身を置こうとも,人生に対する希望を見失うことなく,幸せになるための努力を,人生を実り多いものにするための努力を決して投げ出さないようにしたいものです。(2021年2月20日)(前書き)(2)(9)関連