「真の幸福を獲得するためには,人間は快楽の追求に鞭(むち)を入れるのではなく,それにブレーキをかける必要があるのだ。」(『ホモ・デウス』,ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之訳,河出書房新社)
○欲張り続ける限り,いつまでたっても満ち足りるということはありません。欲張れば欲張るほど,必然的に不平不満ばかりが募っていきます。満ち足りた幸せな人生を送りたいと願うのであれば,欲張ることをやめ,自分が持っている物だけで(必要最小限の物だけでも)満足できるようになる必要があるのではないでしょうか。なお,自分の人生に満足してしまえば,そこで成長や向上が止まってしまうと考える人もいるようですが,常に満ち足りた気持ちで人生を送りながらも,謙虚さや向上心を失うことなく,自分の可能性を十分に花開かせるべく自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けるということ(自分の欲望を満たすためではなく,自分が信じる目標や理想に一歩でも近づくために努力すること)は可能なのではないでしょうか。むしろ,自足しているからこそ,他者を妬んだり恨んだりすることなく,自分がやるべきことに集中し,自分が進むべき道を邁進(まいしん)することができるのではないでしょうか。(2021年2月5日)(3)(4)(5)(11)(14)(18)関連