「そもそも,この世界は心の持ち方一つである。(方丈記)」(『日本の古典をよむ14 方丈記・徒然草・歎異抄』,神田秀夫・永積安明・安良岡康作校訂・訳,小学館)
○同じような境遇にありながら,常に満ち足りた気持ちで上機嫌に暮らしている人もいれば,常に不満を抱えながら不機嫌に暮らしている人もいるように,人間の幸不幸は,その人の心の持ち方次第で決まるのではないでしょうか。実際,「生きてるだけで丸儲(まるもう)け」と思える人は,どのような逆境にあっても幸せであり続けるでしょうし,他方,自分が持っている物だけでは満足できず,常に無い物ねだりをせずにいられない人は(常に自分が持っていない物を欲しがり続ける人は),どのような順境にあっても幸せを感じることは難しいと思います。どのような境遇にあろうとも幸せであり続けたいと願うのであれば,自分が持っている物の多さに気づき,自分が持っている物で満足できるように(自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づき,生きていることそれ自体に幸せを感じられるように),自分の心の持ち方を改めることにこそ関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。(2021年1月21日)(1)(4)(6)(7)関連