○私たちは,数知れぬ他者の直接的・間接的な支えや助けがあってこそ生きていられるのであり,他者と無関係に独りで生きていくことはできません。恵まれない境遇に生まれ育った人は,自分は誰にも頼らず,これまで独力で生きてきたし,これからも独力で生きていくと思いがちですが,実際には,私たちは支え合い,助け合いながら生きているのであり,自分独りの力で生き続けることなど誰にもできません(無人島に置き去りにされた赤ん坊を想像すれば誰にでも分かることです。)。この事実を正しく認識しさえすれば,他者を競争相手(敵)と見なして他者と張り合い,他者と足を引っ張り合うような生き方ではなく,他者を協力相手(味方)と見なして他者と助け合い,他者と幸せを分かち合うような生き方こそが,人間として自然で真っ当な生き方であると分かるのではないでしょうか。私たちと他者は一体なのであり(そもそもこの宇宙自体が,本(もと)を正せば一つのものから分化・発展したものであると言われています。),他者を益することは回り回って必ず自分を益することにつながるのですから(逆に,他者を害することは回り回って必ず自分を害することにつながるのですから),他者に対する支援や協力は自ら進んで積極的に行うようにしたいものです(他方,他者に害を与えたり迷惑を掛けたりする行動は極力控えるようにしたいものです。)。(2020年12月2日)(11)(14)(17)(19)関連