「他者に責任を転嫁する生き方しか知らない人に,新らしい一歩は絶対に踏み出せない。」(『日本人へ 危機からの脱出篇』塩野七生,文藝春秋)
○私たちは,人生が行き詰まると,それをすぐに他者や運命のせいにしては,他者を恨んだり,不運を嘆き悲しんだりしてしまいがちです。しかし,他者や運命のせいにしている限り,いつまでたっても人生の行き詰まりを打開することはできません。なぜなら,他者や運命を自分の思い通りに変えることなど絶対にできないからです。人生の行き詰まりを本気で打開したいと願うのであれば,人生の行き詰まりの原因や責任は自分にある(少なくとも,自分にもある)と考えを改め,恨み言や泣き言を言うことにではなく,自分(自分の考え方や生き方や心の持ち方など)を変えることにこそ大切な時間やエネルギーを使うべきなのではないでしょうか。自分を変えることは自分の意志次第ですし,他者や運命を変えることによって人生の行き詰まりを打開しようとするよりは,自分を変えることによって人生の行き詰まりを打開しようとする方が,よほど建設的であり,実現可能性が高いのではないでしょうか。人生の行き詰まりを打開することは簡単なことではありませんが,人生の主人公は自分なのですから,他者任せ,運命任せにするのではなく,自分の努力によって人生を主体的に切り開いていく道をこそ選択したいものです。(2020年11月25日)(前書き)(7)(9)(15)関連