「災難にあう時節には災難にあうがよく候(そうろう)。死ぬる時節には死ぬがよく候。これはこれ災難をのがれる妙法にて候。(良寛)」(『座右の銘』,「座右の銘」研究会編,里文出版)
○人生はままならないものであり,「一難去ってまた一難」といった具合に,人生に困難や苦労は付き物です。私たちはいつ災難に見舞われてもおかしくありませんし,また,人間の致死率は100パーセントであり,私たちは誰一人として死を免れることはできません。人生はそのようなものであるという事実を受け入れられない限り,私たちの人生は常に期待を裏切られては失望するだけのものになってしまう可能性があります。生きる喜びに満ちた幸せな人生を送りたいと願うのであれば,あるがままの現実をしっかり受け止めた上で,人生の肯定的な側面にも積極的に目を向け,可能な限り人生を楽しむことによって(人生に隠された,無限とも言える「ささやかな幸せ」に気づき,丁寧に味わい尽くすことによって),生きていることや,この世の中に生まれてこれたことを心から感謝できるようになる必要があるのではないでしょうか。(2020年11月13日)(8)(9)関連