○生きている(この驚異的に豊かな社会において,数知れぬ他者の直接的・間接的な支えや助けを得ながら,神秘的とさえ言える人体の精妙な仕組みや働きに守られて生きている)ということは一つの奇跡であり,この世の中にこれ以上の奇跡はないのではないでしょうか。そして,この世の中に生まれてこれたこと(生きるチャンスを与えてもらえたこと)の有り難さや,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに気づき,心の底から感謝できるようになるなら,この世の中は生きる喜びや幸せに満ち満ちた生活の場になるのではないでしょうか。確かに,人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物ですが,決して人間に対する信頼や人生に対する希望を見失い,自棄(やけ)を起こしてしまってはいけないのだと思います。私たちはきっと,人間や人生を否定するためにではなく,人間や人生を肯定するためにこそこの世の中に生まれてきたのであり,生きているのですから。(2020年11月12日)(2)(6)(7)(9)(14)関連