○慢心し,謙虚さを失えば,そこで人間的な成長(成熟)・向上は止まってしまいます。なぜなら,謙虚さを失うと人間は,自分が無知であることや未熟であることに思いが至らず,真摯に学び,努力しようとする姿勢や,自分の失敗や過ちを素直に認めて反省しようとする姿勢などを保つことが難しくなってしまうからです。自分は何でも知っていると思い込み,それ以上知ろうとすることをやめてしまったり,自分はいつでも正しいと思い込み,自分を振り返ることや他者の言葉に耳を傾けることをやめてしまったりするからです。自分を人間的に成長・向上させ続けることによって,自分の可能性を十分に花開かせ,思い残すことのない充実した人生を送りたいと願うのであれば,「実るほど頭(こうべ)を垂(た)れる稲穂かな」という諺(ことわざ)どおり,たとえ何歳になろうとも初心を忘れることなく,謙虚さを失わないように心がける必要があるのではないでしょうか。(2020年10月29日)(12)(14)関連