「たとえそちが,氷のように清浄であろうと,雪のように潔白であろうと,世の悪口はまぬがれぬぞよ。(シェイクスピア)」(『座右の銘』,「座右の銘」研究会編,里文出版)
○日本人は,世間の評判を過度に気にしやすい国民と言われていますし,他者から褒められれうばうれしくなるのが人情です。しかし,「出る杭(くい)は打たれる」とも言うように,他者から称賛されたり,脚光を浴びたりすることが多くなれば多くなるほど,他者から誹謗(ひぼう)中傷されたり,罵詈雑言を浴びせられたりすることも多くなるのが世の常です。また,幸せそうな人(社会的に成功しているように見える人)は,ただそれだけの理由で,他者に妬まれて何かと足を引っ張られがちです。そもそも,世間は私たちが思っているほどには私たちに関心や期待を持っていませんし,私たちを正しく理解してくれてもいません。そのような世間の評判を気にして毀誉褒貶(きよほうへん)に一喜一憂することほど馬鹿らしいことはないのではないでしょうか。世間の評判など気にせず,褒められても悪口を言われても動じることなく,そして,できることなら,なるべく目立たないようにしながら,自分が信じる理想に向かって(より善い,より人間らしい生き方を目指して)前進し続けることにこそ力を注ぎたいものです。(2020年10月28日)(3)(14)関連