○物事を深く知れば知るほど,分からないことも増えていき,無口になっていくのが自然なのではないでしょうか。実際,人生経験を積んだ(人生について深い知識を有する)老人は人生経験の浅い(人生についての知識が浅い)若者に比べて口数が少ないのが普通です。黙っていることが難しく,とかく自分の知識をひけらかしたり,何事にも口を挟もうとしたりするのは,物事を浅くしか知っておらず,生半可な知識を得て自分は何でも分かっていると勘違いしてしまっていることの証左と言えるのではないでしょうか。もちろん,私たちには自分の意見を自由に表明する権利があるわけですが,「口は災いの元」とも言いますし,不用意な発言が他者の心を取り返しがつかないほど深く傷つけてしまうこともしばしばあります。特に,否定的・批判的な発言をする際には,自分が生半可な知識しか持っていない可能性があることを謙虚に認めた上で,慎重の上にも慎重を期すようにしたいものです。(2020年10月23日)(3)(12)(17)関連