○人間は自惚(うぬぼ)れやすく,とかく自分を実際以上に見積もっては,油断してしまいがちです。人間は,自分が得意な分野でこそ失敗しやすい,得意になっている時こそ失敗しやすい,とよく言われますが,その背景には,そのような自惚れやすさが存在しているのではないでしょうか。「策士策に溺れる」,「泳ぎ上手は川で死ぬ」,「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」,「油断は怪我(けが)の基(もと)」などという諺(ことわざ)もありますが,まさに油断大敵です。人間が自信を持って前向きに生きていくためには,ある程度の自惚は必要なのだと思いますが,致命的な失敗を避けるためにも,人間は自惚れやすい生き物である,という自覚だけは常に持っていたいものです。(2020年10月18日)(12)関連