「人は生きるためにはすべてを知る必要はないのです。」(『簡素な生活 一つの幸福論』,シャルル・ヴァグネル,大塚幸男訳・祖田修監修,講談社)
○情報化社会と言われていますが,人間が身に付けることのできる情報には限りがあるわけですから,生きていく上において真に必要な情報をこそ身に付けたものです。では,生きていく上において真に必要な情報とは,何なのでしょうか。やはり,真に人間らしく実り多い,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送るために必要な情報なのではないでしょうか。人生は短く,また,私たちが身に付けることのできる情報には限りがあるわけですから,「どのようにすれば幸せになれるのか」,「(真に人間らしく実り多い人生を送るために)人間はいかに生きるべきなのか」ということを真剣に考え,まずは実り多い幸せな人生を送るために必要な情報を身に付けることにこそ最大限の関心を払い,最大限の力を注ぐべきであると思います。他者との勝負に勝つことや(他者との競争に勝ち抜くことや),世間から高い評価を得る(名声を得る)ことなどのために必要な情報を必死になって身に付けたところで,そのような情報は,真に人間らしく実り多い,生きる喜びに満ちた幸せな人生を送る上においては,ほとんど役に立たないのではないでしょうか。(2020年10月10日)(前書き)(1)(2)(11)(12)(14)(20)(後書き)関連