「神妙不可思議で,奇異な才能を発揮する人は,至人(道に達した人)ではない。至人というものは,ただ世間並みな尋常の人である。」(『菜根譚』,今井宇三郎訳注,岩波書店)
◯幸せであるために,特別な才能は必要ありません。また,他者が羨むような成功を手に入れる必要もありません。私たちは,ただ生きているというだけですでに十分に幸せなのであり,曇りのない眼を取り戻り,そのことに気づくことさえできれば,誰でも幸せになることができます。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝し続ける習慣を身に付けることなどによって,幸せを感じ取る感度を研ぎ澄まし,普通の平凡な人生にさえ「ささやかな幸せ」を無限に見いだせるようになり,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになりたいものです。(2020年9月28日)(1)(6)(7)関連