「しょせん儚いものだと思えば,あまり力まないで済みますし,自分はかけがえのない奇跡的な存在だと思えば,気合いが入る。(内田)」(『身体で考える。』,内田樹・成瀬雅春,マキノ出版)
◯宇宙的な規模で考えれば,私たちの人生は砂つぶほどの重さ(大きさ)もない一瞬の出来事です。実り多い幸せな人生を送るためにも,より善い,より人間らしい生き方を目指して真剣に努力し続けるべきであるとは思いますが,物事を深刻に受け止め過ぎて人間に対する信頼や人生に対する希望を見失わないようにしたいものです。一方,生きているということは,一つの奇跡です。実際,この世の中に,生命現象以上の奇跡があるでしょうか。たとえ宇宙的な規模で考えれば些細(ささい)な出来事であったとしても,たった一度きりの人生(この世の中で生きられるチャンス)なのですから,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さを常に噛(か)み締めつつ,思い残すことがないように人生を大いに楽しみ,味わい尽くしたいものです。(2020年8月24日)(8)(9)(14)関連