「衆愚政とは,有権者の一人一人が以前よりは愚かになったがゆえに生じた現象ではなく,かえって有権者の一人一人が以前よりは声を高くあげ始めた結果ではなかったか」(『日本人へ 危機からの脱出篇』塩野七生,文藝春秋)
◯自分の意見を言うのは自由だと思います。しかし,その自由の中に他者を傷つける自由は含まれていないはずですし,自分の意見が通らないからといって,他者を恨んだり,他者の足を引っ張ろうとしたり,他者に危害を加えようとしたり(損害を与えようとしたり)するのは,まったくのお門違いだと思います。また,為政者にあっては,声高に主張される意見にばかり耳を傾けるのではなく,「サイレントマジョリティー(あえて声高には発言しようとしない大衆)」の声なき声(小さな声でしか語られない意見)にもしっかりと耳を傾け,穏やかで無理のないバランスの取れた政治を行うことをこそ心がけることが望ましいのではないでしょうか。(2020年7月21日)(3)(17)関連