「論争の際は言葉は柔らかく,論拠ははっきり示すがよい。相手をへこませるのでなく,相手を説得することが大事なのだ。(ウィルキンス)」(『文読む月日(上)』,トルストイ,北御門二郎訳,筑摩書房)
◯分かる人は他者から言われなくても分かるが,分からない人は他者から言われても分からない,というのが現実なのかもしれませんが,少なくとも,他者に何か大切なことを伝えようと思うのであれば,分かりやすく論拠を示しつつ,また,相手の幸せを心から願いつつ,できる限り穏やかな口調で伝えることを心がけるべきであると思います。話の内容がどんなに正しくても,相手を一方的に非難するような攻撃的な口調では反発を招くだけですし,愛情に裏打ちされていない言葉は,けっして相手の心には届かないと思うからです。(2020年7月4日)(前書き)(17)関連