「幸福はどこにでもころがっている。ただし,その人が幸福と感じていればのはなしである。」(「苦あれば楽あり」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),斎藤茂太,文藝春秋)
◯同じような状況におかれていても,自分は幸せであると感じながら生きている人もいれば,自分は不幸であると感じながら生きている人もいます。自分は幸せであると感じながら生きている人には,いま自分の目の前にある幸せがはっきりと見えていますが,自分は不幸であると感じながら生きている人には,いま自分の目の前にある幸せがほとんど見えていないのだと思います。要するに,いま自分の目の前にある幸せに気づけるようになることこそが幸せなのであり,幸せを感じ取る感度を上げることこそが幸せであるための秘訣なのではないでしょうか。人生に無限に隠されている幸せ(その多くは「ささやかな幸せ」と形容したくなるようなものです。)に気づけるようになるためにも,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さを常に噛(か)み締め,感謝する気持ちを忘れないようにしたいものです。(2020年6月7日)(1)(4)(6)(7)関連